The Rolling Stonesが2016年にリリースしたアルバム「Blue & Lonesome」に収録されている曲「Ride ‘Em On Down」のミュージックビデオが最高すぎるので、思いつくままに関連情報を調べてみたという話です。
ローリングストーンズ「Ride ‘Em On Down」に出てくる車
何故か理由は分からないけど突然ハマっちゃうものってあるじゃないですか。筆者にとってそれが、The Rolling Stones(ローリングストーンズ)の「Ride ‘Em On Down(ライド・エム・オン・ダウン)」という曲のミュージックビデオでして。
動画に登場するアメ車がとにかく格好良くて、まるで悪魔的な、いや違うな・・。うーん、適当な言葉が浮かばないけど、えも言われぬ魅力があってですね。
エンジン音もド迫力で好き。この魔性の車は一体??
1968年型フォード「マスタング」ファストバック
さすがに、フォードのマスタングだろうことはアメ車素人の筆者にも分かってはいた。フロントまわりの彫りの深い丸目や、ルーフがリアに繋がったデザインは特徴的なので。
問題は年式で、たぶん「1968 Mustang Fastback」なんじゃないかなと思ってます。
MVに登場する車は65年式のマスタングだと紹介してる記事も幾つかあったけど、動画を穴が空くほど吟味した結果、以下の根拠で68年式だと結論に至りました。
- フロントマスクのエンブレムに交わる十字ラインがない
- リアフェンダーがもっこりしてる(’66まではスッキリしたデザインだったらしい)
- リアフェンダー奥下側に反射版がついてる
- 凹型テールライト(「くの字」型に窪んでいる)
いやまぁ、カスタムしてる可能性を考えると根拠が足元から崩れちゃうんですけどね・・。
とりあえず1968年式のマスタングであったとして、どのような仕様なのかも問題。というのも、マスタングの販売当時、外観はもとより性能面まで細かくオプション選択できたらしく、バリエーションがめちゃくちゃ豊富だったようなのです。エンジンのタイプ(CとかRとかの「コード」で区別する)は見た目だけで判断するなんて素人にはとても無理。
外見で分かることは、ミュージックビデオに出てくる68年式(?)はオートマのファストバックであること。ファストバックとはクーペのようにリアが膨らんだボディタイプを言います。ちなみに、他に選べるボディタイプはハードトップ(セダンに似た形)とコンバーチブル(オープンカー)があったらしい。
アメ車と聞くと勝手にデカい車体を想像するけど、68年式あたりのマスタングは本国では小型車だったらしい。日産フェアレディZなんかより一回り大きいくらいのサイズ感。「ポニーカー」なんてカテゴライズでもあったみたいですよ。
・・・にも関わらず、エンジンは控えめに言ってバケモンで、バリエーションにもよるけど320馬力以上あることも。あえて比較すると、筆者マイカーのジムニーシエラが102馬力だから3倍以上ってヤバすぎでしょ。アメリカ人どうかしてるよ。
アメ車に詳しい方、もしいよければアドバイスいただけると嬉しいです。MVに出てくるマスタングにはボンネットにエアクープ(エアインテーク)があるのも謎だし。
主役は「Kristen Stewart」
ローリングストーンズ「ライド・エム・オン・ダウン」のミュージックビデオ内でマスタングを駆るのは、Kristen Stewart(クリステン・スチュワート)。アメリカはロサンゼルス出身の女優さんです。
この女優さんがマスタングに負けていなくて。ダイナーとかですれ違いざま口笛吹きつつ絡んできたカウンターにたむろってる常連のゲスいおっさんに肘鉄かまして渡り合ってそう。
動画内の踊りも、セクシーというよりカッコよくて良いですよね。行儀悪く、立て膝で運転する姿も最高すぎ。クリステンさんはトワイライトシリーズとか出演多数らしいですよ。
音楽、車、役者さんが完璧にマッチしててThis is America!アメリカ好きやわ〜。
「Ride ‘Em On Down」はEddie Taylorの楽曲
ストーンズのアルバム「ブルー&ロンサム」に収録された楽曲は全てカバー曲で、「ライド・エム・オン・ダウン」は1955年、エディーテイラーというブルース・ギタリストのオリジナルらしい。
タイトルの「’em」は英検3級にとっては「ん?」となりますが、これはスラングのようなもので「them」を省略した表現。その上で「ride them on down」の訳はgoogle翻訳によれば「それらに乗って降りてください」。あるいはAIによれば「彼らに乗って(どこかへ)行く」とか「彼らに乗って(何かを)進める」との意味だそう。
「ride ‘em」で「乗り越えろ」、そして「on down」で「続ける」と訳すなら、繋げると「乗り越えて行け」と訳せなくもないかな?いや、そういうことではなく単純に当時の若者特有の言い回しなのかもしれませんけどね。
曲の意味は?何を歌っているかを一言でいえば「俺は目下のヤバい仕事を切り抜けて身を立ててみせるぜ!」といった感じ。曲名と合わせて想像すると世界観が浮かびますね。
ミュージックビデオの物語と曲を照らし合わせると、パトカーに乗った小悪党とキルステンに一触即発の緊張が走った時、小悪党が「良い曲。」と言って引き下がるのが面白い。「俺のこと歌ってるじゃん」となって争うのを避けたのかな?
・・・と、ここまでは素人の考察なので、曲の和訳については、英語表現に詳しい方いましたら意見を伺いたいです。
マスタングが登場する映画や音楽
マスタングは様々な映像、音楽作品に登場しますが、中でも「ジョン・ウィック」の一作目は本記事で紹介してる「ライド・エム・オン・ダウン」のMVのマスタングに匹敵するヤバさがあって好き。
その名も、「1969 Mustang mach1」。
いや、ジョン・ウィックに出てるのは「mach1(マッハ1)」ではなく、「BOSS429」という、さらに希少な69年式であるとの情報もあります。どっちなんでしょうね。もし「BOSS429」だとしたら、映画のストーリーに説得力がより出ますよね。
少しだけ検証してみると、「BOSS429」はエアスクープが一目見て分かるほどに大きいみたいで、ジョン・ウィックの映像を見ると違うんじゃないかなという気が個人的にはしています。
マスタングといえば「ブリット」という映画が有名らしいです。旧車がオンタイムで走っていたころの作品なので、観ておく価値はあるかも。
ワイスピにも出てるかもしれない。と思ったらやっぱり「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」に67年式のマスタングが登場するらしいですね。1作目のクライマックスでドムがハンドルを握った父由来の旧車はダッジ・チャージャーでしたよね。
テレビドラマ「ナイトライダー」のリメイク版にも、人工知能搭載の「ナイト2000」のベース車としてマスタングが使われているとか。
マスタングは日本の作品にも使われていて、「刑事貴族」で舘ひろしさんがマッハ1に。
クレイジーケンバンドの横山健さんは、65年式マスタングを手に入れたことがきっかけで「フォード・マスタングGT」という曲を作ったそうです。納車されたその足で第三京浜を運転してる時の鼻歌から生まれたそうですよ。
ところで、筆者は気になった音楽はサブスクで聴いてます。カーオーディオならAppleCarPlay!