私が新型ジムニーシエラを契約したのは2020年5月で、納車されたのがその年の12月25日。
12月に入り突然、ジムニーシエラを新車で契約したスズキの中古車屋さんから電話があり、
「来週、納車できそうです」と。
そう、本当に前触れなく、いきなりの連絡でした。
聞いていた納期よりだいぶ早く(契約から7ヶ月くらい)、しかも年末忙しい中、トドメにあと一、二週間で来ちゃいますという話だったので、感情がバグって「そんなこと急に言われても困りますよ」みたいな、キレ気味の返事をしてしまったことを覚えています。
ちょうど付き合っていた彼女との入籍も控え、色んなことがめまぐるしく迫っている時期でした。
納車日は12月25日(クリスマス!)。
ピカピカの新車を横目に見ながら仕事をするという日々が続き、正月には帰省のため初の高速道路走行、年明けには初のスノボ車中泊、初の雪道と、新しい相棒とともになかなか濃ゆい1ヶ月を過ごしたのでした。
人生初の新車で、しかも欲しいと思ったクルマを手に入れた人間が、その車をレビューするなんてナンセンス(満足という結論しかない)。
なるべく客観的に、素人なりに「前乗ってた車との比較」という観点でレビューしていきます。
・・・のはずが、「ホンダのフィット」ってやっぱすごい。ってなりました笑
新型ジムニーシエラと比較して感じたホンダフィットの凄さ
ジムニーシエラを買う前は、ホンダのフィットに乗っていました。
あまり混み入った数値的な話は書けませんが、素人の感覚的な部分のみで比較していきます。
シエラとフィットは、同じ「排気量1.5リッター」のカテゴリに入り、それでいてコンセプトが明らかに違う車同士なので、比較対象としては分かりやすいのではないでしょうか。
数値的な話は書かないと言っておきながら、いきなり排気量がどうのというのも気まづいですが、それはいくら私がド素人でも車の排気量くらいの話はできるというものです。
ジムニーシエラ、乗り味は「意外と普通」
まず、初めてハンドルを握って公道に出たときの印象はこれ。
私はもともとHondaの Fit(フィット)というコンパクトカーに乗っていたので、新型ジムニーに乗り換えると、「運転しづらくなるかもな」と覚悟していたのですが、その思いは良い方向に裏切られたと思います。
逆に、「これで本格クロカンなのか・・」と、ちょっと新型ジムニーのオフロード性能を疑ってしまうほど、それほどにジムニーシエラはマイルドな乗り味と感じました。
具体的に言うと、
- 運転席のスペース
- 振動
- 走行音
- 燃費
これらの点において、私が車にあまり明るくないということを差し引いても、両者の違いがあまり感じられませんでした。そのくらい新型ジムニーは「普通」だというのが正直な私の感想です。
例えば、シエラの運転席のスペースはフィットよりは多少狭いものの、全く窮屈ではなく、シートの座り心地もフィットと比べ違いが分からないほど。振動に関しても同様です。
走行音にしても、確かにジムニーシエラのほうがややうるさいけど想定よりはだいぶ普通。
総じて、「街乗り」の比較においては、はっきり言ってジムニーシエラとフィットの差は限りなく小さいものと感じました。
その上で、違いを感じるケースも当然あります。
高速走行のジムニーの走行音はでかい
初めて、「やっぱりフィットとは違う車だわ」と感じたのが、高速走行。
一般道ではあまり気にならなかったジムニーシエラの走行音は、高速走行では急に剥き出しになって、カーオーディオなぞ全く聞こえなくなります。
1ヶ月乗ってみて、フィットとの一番大きな違いは?と聞かれれば「高速での走行音」と答えますね。
ジムニーシエラは加速も悪くなく(フィットと比べての話ですが)、エンジン音がデカイので無理させてるかも?と錯覚しがちですが、アクセルを踏めば問題なく反応してくれます。
海外の車レビュー動画で、海外版ジムニー(シエラのこと)をアウトバーンで走らせている動画があり、150キロ出していました。(ただし、フラフラしてめちゃくちゃ怖がってましたが)
日本仕様と海外仕様で違いがあるかは不明ながら、目安にはなります。
なお、、ジムニーシエラでの長距離運転は、走行音がうるさいことを加味してもストレスには感じませんでした。
やはり前述した運転席の快適性が生きていると思います。あと制振性能とでも言うのでしょうか。
せいぜい片道200キロくらいのプチ長距離ではありますけど。
新型ジムニーシエラ、凹凸でユラユラす
クロカン車をあまり知らなければ意外に感じる人がいるかもしれません。
一般道の多少のデコボコでジムニーはけっこう跳ねます。振動という意味では、エンジンによる自らの振動はあまり感じられませんが、道の凹凸はジムニーに影響を与えると思います。
車高が高いせいなのか、特殊なフレーム構造のせいなのかは素人である私には分かりませんが、乗っていて明らかにフィットと違うなと感じるポイントではありました。
ただし、不快に感じことはない程度ではありますが。
ジムニーシエラ、小回りはフィットより効くかも
ジムニーのクロカン車としての特性のひとつに、旋回能力があると思います。
「クロカン車」と聞いてゴッツいトラックのような車を想像する人もいるかもしれませんが、キビキビ走るという点では、ジムニーはフィットなどのコンパクトカーにも負けてないと感じます。
むしろ、旋回能力ではジムニーのほうが高いと感じました。実際に数値をみたわけではないので、あくまで私の感覚の話にはなりますが。
車体がスクエア型なのも良い。バックしたり、狭い道に入ったり躊躇なく挑めます。
これは「街乗り」でも優位に働く特徴です。道が狭ければ狭いほど、旋回性能がモノを言います。
なお、街中で信号待ちや渋滞などで停車、発進を繰り返すことのストレスについては、私が購入したジムニーシエラが「5速MT」のマニュアル車なので、なんとも言いようがありません。フィットはオートマだったので。
「フィットよりも楽しい」とは言っておきましょう。
ジムニーの性能は、普段使いではあまり生かせない
冒頭で書いた通り、私はジムニーシエラに大満足しています。手に入れてなお、大好きな車となりました。
しかし、その特殊な性能は、通勤やちょっとしたお出かけでは発揮する機会はそう多くないでしょう。
性能のパラメータが一部だけ突出した車です。
その点、フィットに限らず各メーカーのコンパクトカーは、普段使いに最強の車たちです。
ジムニーシエラでスノボに行ったのですが、舗装された道路が通った観光地やアウトドアくらいでは、例え雪が多少ふっていようとジムニーほどの性能はむしろ不要で、燃費や快適性からフィットに軍配が上がるのではないでしょうか。
旋回性能でジムニーが上回ると書きましたが、それも突出した性能の一つと言えます。交差点などでフィットに乗っていた感覚でハンドルを切ると、曲がりすぎてしまうことが何度かありました。
街乗りではフィットくらいの小回りで十分です。
ジムニー買って、良い車だと紹介しているつもりなのですが、存外、フィットってすごい車だよね。と再認識させられたのでした。